No.337


2020年 10月 神無月

 このところTVをつけっ放しのことが多く、
 ふと、耳にした天気予報で「ここ一ヶ月、雨ばかりで晴天は一日だけ」と云ってました。
 「本当に、そうだったかもしれない」と、ぼんやりうなづいたのですが…… でも、真夏日も
多かったし……。

 毎日毎日、マスク マスク、手洗い、アルコール消毒と、チマチマ気をつけ。
 転ばないように 足元に気をつけ。
 突然の夏日に、慌てて保冷剤をタオルに包んで首に巻き。
 外から帰れば、着ているものを脱いで洗濯機を回し、……
 と、なんだか、ゆとりを持って遠くを眺めたことがありません。精神が窒息している感じ。

 つくづく、海が見たいなァ
 海面を一瞬金色に染めて、音もなく沈むあの夕日に会いたい。

 それから浴びるほど、頭からシャワーを浴びるほど音楽に溺れたい。
 生の息づかいの音楽に!
 身体の芯まで、ひたりたい。

 あなたは、どんな風にご自分を保っていらっしゃいますか。
 お元気でしょうか。
 この閉塞感、精神の疲労は、今、きっと、皆同じなのかもしれませんね。
 毎日を、一生懸命生きているのに、ふりかえってみると、なんだか、ボーっと、うっとうしい。
分厚い日々が重なってみえてくるだけで……。




 ものごとは、感じたり、心の中で思っているだけでなく、一度、言葉にしてみるとはっきり
するものですね。
 たとえば、悲しみとか、不安とか、愚痴も、友人に向かってワーッとしゃべり、吐いてしまう
と、すっきりするのは。
 吐くからスッキリするだけでなく、モヤモヤしていたものを言葉にし、声を出すことで、
それがいささかの自己分析になっているのではないでしょうか。

 「やっぱり、きっと、そうなんだ」
 と、ひとり納得して、ついこの前から、コロナ禍の生活の「定点観察メモ」みたいなことを
はじめました。

 Go To トラベル はじまる。
 東京だけ除外。
 渋谷スクランブル、人もどる。
 などなど、日付と共に生活の一部をメモ。

 大きな出来事、大切な出来事。
 たとえば、4月4日、長崎中止、などは記していますが、何気ない日々のことを書きとめ
重ねてくる中で、見えてくるもの、気付けることがたくさんあるはず。
 と、思っている矢先に、ニュースで、
 「世界のコロナ死者、100万人を越えました」と、TVが報道していました。
 100万という数字に、今は驚いていますが、今後、ふりかえって「今日」をみたとき、
どう感じているでしょうか。
 2020年9月29日のメモです。




 今、「水の会」の歴史を辿るニュースレターを作成して、ちょうど4号を編集中。
 中でも、2012年8月に長崎で読んだ、特攻の遺書「少年時代」に、再び心奪われて
います。

 私は、鹿児島・知覧の名は知っていましたが、
 予科練に志願した子どもたちが訓練を受ける地は、阿見(茨城県)であることを、その時
まで知りませんでした。
 特攻といえば、知覧、と思っていたのです。
 でも、飛び立つのは知覧でも、寝起きを共にしてハードな訓練を受けるのは、「阿見」と
知り、
 霞ケ浦の畔に建つ、予科練平和記念館に行ったときのことを思い出しています。

 そして、その時、とにかく 竹之内裕子さんに世話になったことをニュースレターに記して
おきたくて、再びインタビューし、様々な、人の縁の深さに気付かされています。

 ザックリ云うと、
 仕事のパートナー・竹之内さんの故郷が、この阿見町。
 お祖父さまは、鹿児島の方で、若い頃海軍の仕事の関係で阿見に赴任。
 ここでお祖母さまと知り合い結婚なさったとのこと。
 元々、鹿児島で初めての飛行機パイロットだった方で、阿見に於いても、家族ぐるみで
この予科練とかかわりがありました。
 その歴史と信頼が、その際、門外不出の資料を貸して頂くことができた大きな原動力に
なったわけで、感謝してもしたりません。




 因みに、「少年時代」を一緒に朗読した、「水の会」の水沼君は、今、その時を振り返って
こうメールに書いて下さいました。
   「読んだのは、手紙に中の、兄から弟への手紙で、手紙を見ただけでは、本当に
    何を(聞いて下さる方に)届ければいいのか? 分からない思いでした。
          ( 中 略 )
    予科練記念館に行くことができ、記録が保管されていることを知りました。
    筆まめだった「福山資(ふくやま たすく)」さんの、家族に宛てた膨大な手紙は、とても
    一日で読み切れず、その数日後、どうしても、全てを知りたいと思いが募り、
    そして、朝から閉館まで、資さんの全ての手紙と記録を見ることができ、
    当時の情景や、現代では考えられない当時の現実、
    そこで葛藤している力強い少年たちの日々に暮らし。
    家族と離れ、教官だけとの環境。
    その辛く、険しい現実の中で、すごいスピードでたくましく育ち、特攻に旅立つまでの
    情景を読みとることができました。
    資さんの手紙は、お世話になっていた食堂の方が配慮し、検閲がある軍事郵便で
    はなく、 故郷に家族へうまく配達されており、残されていたものでした。

    一番心に残るのは、
    特攻に出陣する前に、故郷・佐賀県に帰り
    家族全員と撮った にこやかな写真です
          ( 後 略 )                               」


   …………
 「予科練や特攻をテーマにした「少年時代」を朗読したのが、2012年。
 そして今、2020年。
 もし、今、ニュースレターを作成しなかったら、こうした貴重な「思い出」も、
水沼君ひとりの心の中に沈んだままになっていたでしょう。
 と考えると、改めて、書き残しておくこと、言葉化しておくことの大切さを、痛感させられて
います。

 文中に出てくる福山資さんも、マメに、それも検閲の目をかいくぐっても、家族に送りたか
った山のような手紙!
 その手紙があったからこそ、予科練での日々を、今の私達が知ることとなったわけです
から。

 それにしても、東京から電車バスを乗り継いで片道2時間はかかる阿見まで、
 再度訪ねていた水沼さんってスゴイ!
 だから、あれほど人の心を打つ朗読ができたのですね!!



 今、PCオンチの私も、皆に教えてもらいながら、リモート授業をなんとかやっています。
 が、それにしても、どうしてリモートって、こうも疲れるの? 
 2時間レッスンのあとは、ベッドに直行。
 食欲よりは、「眠たい!」の一言。

 今や、あっちもこっちも、リモートばかりですが、
 ただただ便利な面だけ取りあげず、
 NGな面も、しっかり検証しながら、使いたいものですね。
 そうしないと、人間としての良い面が吹っ飛んでしまいそう。

 と云うわけで、ささやかな体験ではありますが、この件でのメモも必要かと、記してはおり
ます。
 特に、全出社のサラリーマンが、全リモートや、週2日出社あとはリモートなどなど、
とても貴重な体験です。
 ちょこっと、メモしておく、残しておく、言葉化しておくことの、おすすめです。




 「思い出を単に心の中に留めず、表現すれば、それは、未来への遺産です」




 と、云うわけで、目下はニュースレターだけでなく、
 今冬、クリスマスに向けて、朗読を動画にしておく準備にも頭と体を割いている日々。

 「元気」でおります。
 「お元気でいらして下さい!」
 

                                        2020年 10月 1日
                                            
                                            今井登茂子
                                                                                              



 
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 2019年
  
  初めて福島での「水の会」音楽朗読会が開催されました
  「大切なものは 目に見えない in 福島2019」
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   「大切なものは目にみえない2019 水の会クリスマスチャリティコンサート」
   (2019年12月22日開催)
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