No.373
5月 皐月

 
 小さい頃覚えた歌。
 この季節になると、散歩の折など、自然に口ずさんでいますが、小学生唱歌?

   ♪ あざやかな みどり
      明るい みどり
      鳥居をつつみ わら屋をかくし
      かおる かおる 若葉がかおる

 調べてみたら、昭和17年3月、国民学校用「初等科音楽(2)」に発表されたものでした。
 作詞は、松永みやお、と、あります。

 のびのびと、さわやかで、この季節そのもの!
 その若葉から降りそそぐ、キラキラした木もれ陽も大好き。
 大きく、深く、深呼吸して、幸せ!




 ここまでの三月四月の二ヶ月間は、乳癌手術後の感染症のため、心も身体も縮こんで
下ばかり向いて、過ごしてきた気がします。

 この病を心配して下さった皆さまには、「ご免なさいね」そして「やさしい電話やメールなど
お気遣いを、ありがとうございます」!
 おかげさまで、身体は、ゆっくりと快方に向い、
 精神は、これまで以上にピシッと前を向くことができています。
 ありがとうございます。


 分けても、生き続ける強い覚悟が、具体的にみえてきたことは、ラッキーでした。





 二月に手術(2月16日)し、退院(2月19日)
 その二日後の夜中、傷口が大決壊。
 濃いピンク色の血だかなんだかが噴出し、パジャマもズボンも、フトンもビショビショ、
これリンパ液?
 着かえても、又、ビショビショ。
 この病気の予備知識ゼロなので、なにが起こったか分からない不安。
 深夜、たった独りの血まみれの恐怖。再入院。
 中でも辛かったのは、きちんと「何故傷口が開いたのか」の筋が通った説明が、
ゼロだったこと。
 そして、その日から今日まで、理論的説明はナシ。
 そうした不安と恐怖が起こり続ける中で、つくづく「傍らに居てくれる人の、ありがたさ」が
身にしみました。
 まわりの友人・知人・仲間たちの優しさですね。

 よく、遠い身内より、近い他人の方が頼れる、と云いますが、
 本当に、特に高齢化してくると、自分の方から積極的に動く体力がないので、やはり、
「近くに居る人・傍らに居てくれること」の大切さを、いやと云うほど感じさせられたわけです。
 又、居てもらわないと、動けないだけに危険でもあります。


 最近、ごく身近な仲間で、78才と79才の方の結婚がありました。
 この話を最初に耳にし、思ったことは、「籍もちゃんと入れるの?」でした。
 それぞれがこれまで生きてきた中で、子供が居たわけなので、いざと云う時、あれこれ
複雑になるんじゃないの?と云う一般論です。

 でも、今は思います。
 ちゃんと式まで挙げて、そして、手を取り合って、二人で力を合わせて、乗り切って行く
覚悟なのね、と。
 この支え合いを、これほど実感をもって祝福できるとは思いませんでした。


 家族っていいですね。
 私は15年前に夫を亡くしましたが、夫が生存中は、助け合いの大切さを、これほど
痛切には感じませんでした。
 でも、今、87才と云う高齢独り暮らしの中で味わった不安と恐怖の連続は、今こそ
相手が欲しい、お互いにヨタヨタしながらでもいいから、家族でいたい、と、叫ぶ思い
なのです。
 なにげない会話のひと言。
 それとなく交わすまなざし。
 傍らにいてくれる幸せを溢れるほど思い知らされ、涙も流しました。



 そんなわけで、あっという間に「介護Ⅰ」がとれた我家に、プロの看護師、Nさんが
定期的に訪問してくれる事になりました。

 さわやかな、目がキラキラした美人。
 説明も的確、頼れそう。
 なによりも、週に一回、45分ではありますが、必ず傍らに居てくれる心強さ。
 この、定期的であることの、心強さ、感謝です。



 こうした日々、傷が完全に閉じないで、ウロウロ ヨロヨロの日々は、ウツそのもので
ふとんかぶっていたのですが、でも、と立ち上がることが出来たのは、本当に心遣いし
支えて下さった皆さまのおかげ。

 ありがとうございます。経験談や情報も本当に助かりました。
 今夏、八月の長崎平和朗読。
 必ず、行きます! 行けます!
 待っててね!!



                                            2024年 5月
                                            今井登茂子
                                          
                                                    
   




                                       
NEWS