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No.387
12月 師走
| 先日、目覚ましをかけておいたのですが,「エーッ?!」 寝過ごして大慌て。 なによりも、目覚ましが聞こえなかった事がショックでした。 これまでに一度もなかったことで、「やっぱり…」とも思ったのです。 たとえば、テレビの音声が、クリアに聞き取れない。 会話も、相手がマスクをかけていると、語尾がわかりづらい。 今までは、なんとも感じなかった教室でのみんなの声も、 「?」と聞き返すことが多くなって……。 ……あァ、老化していくって、仕方のないことですが、 ふーっと、嘆息をつきたくなるような心境のことが多くなりました。 ピンポーンと玄関のチャイムが鳴り、ウワァと云ってしまったほど、野菜が届きました、。 いっしょに、クリスマスのポインセチア! 今年は濃いはなやかなピンク! Mさん夫妻は、八ヶ岳のふもとに住んでいて、野菜を作り、上手にパンを焼いて。 そして、いつも、新鮮な食物を、届けてくださいます。 その中に、憧れのダイコンが二本も入っていました。 憧れと云うのは、しっかり育った葉っぱも、そのままついているのです。 東京のスーパーでは、葉っぱは切り落とされているどころか、今は一本の大根を 三分の一(1/3)に切り分けて売っているぐらいで、こんなにダイナミックな姿に接するのは 久しぶり! 早速、葉っぱは、刻んで、ゴマ油で炒め、少しお醤油と日本酒で味を付け、 大好きなゴハンの友の出来上がり。 大根は1.5センチの輪切りにし、だし昆布にはさんでゆでておくと、「五日は持ちますよ」 と教わり、早速作りました。 たしかに、こうしておけば、煮物にしても、そのまま味噌和えなどにしても便利。 ひとり暮らしに最適な方法ですね。 と、まァ、こんな風にして、いよいよ今年も師走。 早いなァ。 でも、毎日毎日は、けっこう忙しくて、スケジュールは、いっぱいです。 仕事もちゃんとこなしていますよ。 同じ世代の友人たちは、施設に入居する人や入院中だったり、 訃報になって耳に届いたり…… その中で、お互いに、この年齢だからこそ、なんでもおしゃべり出来る得難い友人がいて 本音と本音のぶつかり合いで、大笑いの連続。 お互いにスカッとします。 そして、長話のためケータイの電池切れで慌てます。 通じ合えるおしゃべりって、大切ですね。 今住んでいるマンションは、かれこれ50年住み続けていて、一階なのですが、 どの部屋のドアにも、この11月末頃から、クリスマスリースが飾られ、キレイです。 うちも飾りました。 でも、一階の我家の隣の家では、まだ飾りが出ていません。 いつもキレイなのに……ね、寂しい……。 と云うのも、先日ご主人さまが亡くなられたからでしょう。 高齢ご夫妻でしたので、残された奥さまは、なんていうか、普通に生活するだけでも 大変そう。 そして、その姿は、明日は我が身だと、身につまされています。 私も、いわゆる「おひとりさま」ですが、まだ今のところ、大根を煮たり炒めたりする元気が あるので、、なんとかなっています。 そして、おひとりさま歴16年目のベテランとしては、 コミュニケーションが、どれほどどれほど自分を助けてくれる力を与えてくれるかを、 肌で感じてきました。 食事だって、誰かと一緒だと、けっこう食べられますし、電話で友人と話すだけで、 元気が出ます。 ましてや、ライフワークで続けている、音楽朗読の仲間と一緒の時は、自然に活発になり 若返っているし。 ありがとう! の心境です。 目に映る風景を写真に撮り、マメに送ってくれる人、 ちょこっと「傍まで来たから」と、お弁当を届けてくれたり。 「声が聴きたかったから」と、心やさしい電話。 道の駅で、おいしそうだったからと、野菜をかかえてドンと玄関に立っていたり… みんなに支えられて、今年も師走。 ありがとう!! 本当に、心から感謝しています、 そして、心底気付かされています。 心やさしい関心こそ、相手に寄りそう愛そのものだ、と。 来る新年一月には、私たち「水の会」は、ニューイヤーコンサートを開催する予定で、 皆、練習・準備に励んでいます。 朗読する四作品全てに通貫するテーマは「家族」。 家族って、単純に血縁関係だけを指すわけではない。 むしろ、共に苦労も楽しみも分かちあってきた仲間がファミリーに育った時、 それ以上の倖せはありません。 今、心を占めているのは「愛の反対語は、無関心」という逃れようもない事実。 そう、愛は、関心の出発点ですものね。 どうか、あなたにとって、心安らかに、気持の豊かなクリスマスでありますように。 お元気で。 ![]() 2025年 12月 今井登茂子 ![]() |
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